文部科学省のコミュニケーション教育フェスタ 西日本ブロック(10月11日,12日)に参加しに、2泊3日で熊本へ行ってきました。
私が参加したのは、主に10月11日の「宇検村立久志小中学校」(奄美大島)の事例報告。昨年度に同校で行った事業についてです。同校の先生方や村教育委員会の方ほか5名で、お話をしてきました。
大体こんな構成です。
- 宇検村について
- 久志小中学校について
- 久志小中学校の取組について
- 久志小中学校でのワークショップ
- こどもたちの変化
- 学校や地域との関わりについて
- 今年度の取組
これらを担当にわけて、スライドを映しながら喋りました。前日から熊本入りしていた我々は、居酒屋さんでリハーサルしつつ、時間調整とスライドの仕上げをしました。その甲斐あって、割り当てられた時間よりも短く、目標通りの事例発表ができたように思います。
私の担当は、上の4と6です。4では、同校でやったワークショップのデザイン動機、全体像、各回の構成などについて話しました。プランの文書も配ったので、趣旨や詳しい内容についてはかなりはしょりました。6では、同村で行った事業周知についてと、継続性について、地域のことと絡めながら話しました。
文部科学省による、教育関係者が多数出席する、ちょっとお堅い感じの催しです。なんとか笑いを取るスキはないだろうか、とがんばりました。結果、大爆笑の渦、とはいかず、反応薄い感じ(←笑い面だけでの観点)でしたが、それなりにクスクス笑いは取れた気がします。なにを目指しとるんだおれ。いや、でも、ちゃんとするところはちゃんとやってきましたよ!
4の概要はこんな感じです。私は教育の専門家でもなんでもないので、劇作家・演出家の立場で喋りました。
さて自分はアーティストなので、作品をつくるにあたっては全身全霊を賭けるのが当たり前。でも子供は心身未発達で無防備。そんな連中と一緒に作品づくりは不可能(だって……対等じゃないし、危険ですよね?)。なのでワークショップでは、創作はさせるものの、当方はあくまでもガイド役。創作のプロセスをステップバイステップで体験させる役割。(それをどう活用するかは、ワークショップの運用次第。)
が、そんなことやっていると、創作へのフラストレーションが溜まる。子供達、楽しそうだなぁ、うらやましいなぁ、と。こういった反動は結構大きく、この4月から9月で11作品の新作執筆、12作品の演出をしてしまった。
どうしたものだろうか。そこで考えた。子供達の創造したものから刺激を受け、自分が自己責任で創作するのはアリなはず。その創作物から子供達が刺激を受け、今度は子供達が創作をするのもアリではなかろうか。という考えから、アーティストと子供達が相互に刺激を与えながら創作をしていく、というワークショップ・プラン(※ここで言うプランとは、複数回に渡る全体像のこと)を立てた。
1. 歌のワークショップ1 – 子供達が作詞
→ シンガーソングライターが作曲
2. 歌のワークショップ2 – 歌の仕上げ
3. 演劇のワークショップ1 – グループ創作のための導入
4. 演劇のワークショップ2 – スターターづくりと、登場人物と状況設定づくり
5. 演劇のワークショップ3 – プロットづくり
→ (私が)民話を(徹夜で)執筆
6. 演劇のワークショップ4 – 民話を俳優らが朗読→身体表現づくり
以上を、時間の関係で、3分以内で話しました。わぁ、ぎっしり。予定では、もうちょっとゆったり話せるはずだったのですが……。
「学校や地域との関わりについて」で何を喋ったかは省略。こっちの方が、狙ったところできちんと笑いが取れた感が。なにを目指して(以下略)
さてこの日は有志で飲み会。久しぶりのメンツとも会えて嬉しかったです。
翌日は、近隣の小学校でやっている事業の視察。小学校5年生向けのものと、特別支援学級向けのものと、2種類を同時開催。見学者も二手に分かれます。私は後者を最初から最後まで見学しました。講師が手練れなので、安心して楽しめました。先生方の動きも勉強になりましたし、いろいろと得ることが多かったです。
あまりに楽しそうで、混ざりたい気持ちを抑えるのに必死でした。やっぱりワークショップは、見るよりやるに限りますなぁ。
私も一度だけ特別支援学級でお話をつくるワークショップをしたことがあります。今回のワークショップを見て、進行に類似性を感じ、なるほどこうなるようなぁ、と思いました。でも見ていて、絶対にマネできないウルトラCが何度もあり、すごいなぁと唸ると共に、こういったワザをきちんと論理的に分析し、言語化していくようにしなきゃなぁ、と思いました。にわかに、他の人のワークショップを見学したい欲が湧いてきたり。まぁその時間はしばらくなさそうですが……。
そんなこんなで熊本で、楽しい2泊3日を過ごしました。
来週は奄美大島に行きます。久志小中学校で、言語能力の向上に特化した、まったく新しいワークショップ・プランを展開していきます。と言う予定。