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秋カフェ『お節介いろいろ』の音楽のことだけを少し

Aパートの本番、あけました。

N.S.F. + 世の中と演劇するオフィスプロジェクトM + HOTSKY + 劇団桃唄309
短編劇集 vol.5
秋カフェ『お節介いろいろ』
2013年09月26日(木) – 29日(日)
東中野/RAFT
詳細情報
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以下、音楽面だけの話するぜ。熱くね。
桃唄作品のぜんぶと、桃唄以外の1つに、音楽もつけているのです。

一部ネタバレがあるかも。

ぼくにはネタバレという概念がないので、まったく気にしないのだけれど、気にする方は本番が終わってから読んで頂ければと思います。

A2『ポンペイさん』

数はそんなに多くないが、いろんなジャンルの曲が流れる。エロいラウンジ、シネマティックなシンセ曲、ダブステップ、またラウンジ、クラシック、等。自画自賛で恐縮だが、ラウンジの曲つくるの、だいぶうまくなった気がする。
何曲かでボーカルを入れることに挑戦しようともした。だが、やっぱりじゃまだったので、ボコーダーで誰が何言っているかわからない声(歌)が入る感じに処理した。ある曲はぼくが、別のある曲は佐藤達が声を入れている。
クラブっぽい店のシーンには、最初てきとーにつくったハウスっぽい曲をあてた。が、かけてみたらすごく古くさく思え、衝撃を受けた。自分のセンスが悲しかった。で、普段ぜったい聞かないdubstepの曲をYoutubeで数曲聞き、そういう感じのものをつくってみた。劇中いちばんうるさい曲がそうです。
一部の曲はFMシンセで音自体も作ってみた。これはやばい。思ったよりイケる。そして奥深いし楽しい。こっちには深入りしないようにしよう、と心に誓った。
SEも作った。初期は数カ所でSE入れるつもりで密かに準備していたが、稽古を進めるうちに「構成を補助する流し方」しかできないとわかり、最初と最後だけ使った。グッバイせっかくの生録音源。
劇中のBGMに歌をいれるのは、いつか再度挑戦したい。BGMの歌詞が芝居をあおるタイプの使い方はあんまり好きじゃない。芝居を邪魔する気がして。でも、芝居を邪魔しない良いやり方があるはずだ。いずれ考える。

B2『食い逃げカフェの小さな日記』

いちばん試行錯誤した。お囃子機能的なものを流したいと思い、いろんなパターンをこっそりいっぱい試作した。ジャズっぽいの、ヒップホップっぽいの、いっそクラシック・オーケストラ編成、などなど。試作には、Ableton Push(Ableton Live って音楽ソフトでの作曲を支援する専用デバイス)大活躍。
が、結果的にチャンチキ+小太鼓+三味線+ブラスが最強だった。シンプルなんだけど、他のプランを余裕で蹴散らす強さだった。
劇中曲はあまり流れない。構成的な意味合いで流す以外は、なんか違うなと感じたので。俳優の奮闘を、音楽で助けられない、助けちゃいけないタイプの劇だと思う。
この劇用に歌を作れば、3パート全てでぼくの作った歌が歌われる(Aの1つめでは音頭が!)なぁウフフと思っていた時もあったのだが、やり過ぎ感が否めなかったので諦めた。ウクレレ持って乱入したかったなぁ。そーゆーのやるならこの劇だな、と思っていた。店長役の希ちゃんは、歌がきちんとうまい人で、歌えなくて残念がっていたが、ぼくだって、ああぼくだって。
あまりに悔しいので、稽古最終日にお囃子に合わせる歌詞を30秒で考えた。「脱サラカフェを/はじめたが/食い逃げされて/損ばかり/涙を拭いて/今日もお店を/開きましょうか」。曲に合わせると、感情の浮き沈みが病的に激しい歌となるはず。

C2『ポランチア』

歌いっぱい。どこかミュージカルっぽいが、ショー+バーレスク+叙事演劇+中世教会演劇+ルネサンス期の演劇+ギリシャ悲劇な感じを目指したので、ミュージカル発祥以前の構築の仕方のつもり。そもそもあらゆる線引きを嗤い馬鹿にし軽蔑するというのがライフワークとも言える個人的作品テーマの一つであってだな云々……とか言いつつ、1部と2部の間(無駄に超大作が作品コンセプト)には、よくあるアレをやる、アレを。ちなみに、ぼくの中での各部の表題は「第1部:人間との戦い」「第2部:神との戦い」である。ギリシャ悲劇的に、人の営みの行き詰まりにゼウスが光臨するの。でも現代劇でもあるので、その後を長く作った。
劇の設定上、プロではない楽隊がいるイメージで、楽器の数と種類を制限してつくった。例えばパーカス部門は2人で、ほとんどボーラン(ケルトの太鼓)の音源のみ、とか。だが歌をガイドするためにストリングス等の補助音をいろいろ入れたりしたら、楽隊って感じは一部どこかへ消えた。でもまぁおおむね問題はあるまい。
この劇のため、あらかじめ古いアイルランド民謡の譜面を何曲か入手し、進行をぼくなりに研究した。シューラールンって良い歌だねぇ。で、かなり参考にしたのだが、結果的にそこまでケルトって感じにはならなかった。でもまぁおおむね問題はあるまい。

A1『恋の骨折り損』(N.S.F.)

N.S.Fが前回『じゃじゃ馬ならし』をやった時につくった「じゃじゃ馬音頭」に続き、今回も歌をつくった。音頭というよりは囃子。tempo150の速い歌である。じゃじゃ馬音頭では前奏とかずいぶん豪勢だったが、それに較べると今回はかなりシンプル。メロディが出せる楽器は、ベースをになうホルン系、高音部の笛系、三味線、だけである。最初はストリングス部門があったりなど、もっと音を厚くつくってしまっていたのだが、なんか違うと感じ、ばんばん引いた結果、こうなった。
そのぶん、勢いや歌による音圧の緩急にこだわったつもり。
あと、この劇は座長がいるのだが、座長芝居は座組全員が座長を敬いご奉仕しない限り面白くならない、と考えているので、音楽的にも、座長をより輝かせたい、そして「特においしいところ」もなきゃ、と思いながらつくった。

以上、いつも音楽のことはあまり人に良かったも悪かったも言ってもらえないので、自分で思いを語ってやったぜ、なブログ記事でした。

でも本音は、音楽のことは正直マジどうでもよい。どの作品も、俳優たちの芝居を観て欲しい。当たり前だが。

というわけで秋カフェ『お節介いろいろ』、29日までやっています。

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