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New York Timesに、ストレッチに関する興味深い記事が載っていました。
それによると、運動の前にスタティック・ストレッチをやるのは、キネシオロジー(運動科学)の専門家の見地で言うと、がっかりするほどの間違いであるとか。
スタティック・ストレッチとは、身体を伸ばした状態を数十秒間維持するやり方のストレチ。長座(足をのばして座った状態)でつま先方向に手を伸ばしていくアレとか、代表的なスタティック・ストレッチです。一般的には一番メジャーなストレッチじゃないかな。
どれくらいの間違いかと言うとですな。ネバダ大学の最近の研究では、運動前にスタティック・ストレッチをやらせた群と、なにもやらせなかった群では、前者の方が明らかに筋力の低下が認められたそうで。また別の研究では、スタティック・ストレッチをするとおよそ30パーセントほどの筋出力の低下があるとか。
俳優の皆さん、稽古や本番の前にスタティック・ストレッチやっていませんか?
それ、身体ポテンシャルをわざわざ下げているんですって。
→ Stretching: The Truth (NYT)
なんかね、うすうすですが、スタティック・ストレッチを稽古前にやるのってどうなのかな、とは思っていたのです。我が劇団ではウォーミングアップとして、ダイナミック・ストレッチ(一定の動きを反復することで柔軟性を高めるストレッチ)など、別のタイプのストレッチを推奨していましたし。でも筋出力の低下まであるとは思わなかった。
そういえばテレビ(あまり見ないけどね)とかに映る競技スポーツの選手が、試合前にやっているストレッチって、ダイナミック・ストレッチをやっていることの方が最近は多いかも。スポーツの世界ではもう常識になりつつあるのかな。知らないけど。
上述のNYTの記事によれば、運動の前に行うべきは、スタティックではなく、ダイナミック・ストレッチだとか。
いずれ暇ができたら、ダイナミック・ストレッチのメニューも当ブログで紹介していきたいです、が、いつ暇になるのやら。
でも我が国には「ラジオ体操」という準備体操があるではないですか。あれはちょっとバリスティック・ストレッチ(勢いをつけて動きを反復させるストレッチ;儂が子供の頃、体育の時間で指導されたのはこれ)が入っていますが、無理をせず柔らかく、なおかつ1メニューの回数を増やしてやれば、かなりいいのではないでしょうか。
ただまぁ、演劇の舞台に関して言えば、競技スポーツとは違い、100%の筋力を発揮することが良き演技に繋がるわけでもありますまい。当たり前ですが。むしろ、筋力をわざわざ下げることが芸術性を高めることだってあり得ます。
とはいえ、無自覚、テキトーに、目的意識なく、習慣的に、漫然と、稽古前にスタティック・ストレッチをやっているのはどうかと思います。と、この際あえて言ってみた。
精神安定にはいいかもしれないけれど、身体ポテンシャルを高めるにはもっと向いたストレッチがある、とわかっていて、わざわざスタティック・ストレッチをやる気になりますか? そっちやった方が精神安定にならない?
ちなみにスタティック・ストレッチ=悪、という訳ではないです。上述NYT記事中のビデオでは、クールダウンにはとても良い、と言っていました。また、オフ期間や就寝前とかに静的柔軟性を高めるトレーニングとして取り入れるのはかなり良いと思われます。
続く、かも……。
via: You're Stretching Wrong Before Workouts (Lifehacker) → 日本語版記事