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戯曲の書き方一覧

戯曲の書き方講座(5) – インデントで台詞の見栄えをよくする

戯曲の書き方講座、5回目になりました。

ちょっと間があいてしまいましたが。

前回は、台詞やト書きをタブを使い、デジタルデータとして整えつつ効率良く執筆していく方法について説明しました。

今回は、タブを使ってデータとして正しく書いた戯曲を、Wordなどできれいに表示するには、という話に入っていきます。

具体的には「インデント」についてです。

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戯曲の書き方講座(4) – タブとは? そして台詞の書き方

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戯曲の書き方講座、4回目です。
戯曲講座ではなく、PCなどで書く時の、書き方講座です。

1回目は、文章と見栄えは徹底的に切り離す、という鉄則を紹介しました。
2回目は、文書は見出しで区切って管理・把握しよう、という話をしました。
3回目は、道具の手入れは大事なので、ワープロソフトはきちんと設定をして使おう、という話でした。

今回からは、数回にわけてTabキーの話をしていきます、たぶん。

タブ→
全角スペース→
改行→

超ざっくり歴史的な使われ方の話

タイプライターの時代から、Tabキーはありました。
あらかじめ設定した位置まで文字送りするためのキーでした。

用語説明のような「用語」と「その説明」、すなわち「小見出し」と「それに属する文章」がセットになっているような文書をつくりたいときに、タブキーは便利でした。
いや便利というよりも、必要だった、と言うべきかな。

例えばこういうことです。

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戯曲の書き方講座(3) – ワープロソフトの手入れをする

今回はワープロソフトの設定について

戯曲の書き方講座、3回目です。
戯曲講座ではなく、PCなどで書く時の、書き方講座です。

1回目は、文章と見栄えは徹底的に切り離す、という鉄則を紹介しました。
2回目は、文書は見出しで区切って管理・把握しよう、という話をしました。

さて今回からはいよいよ「Tab」キーの使い方に突入!

と思ったのですが、そこに進む前に、ワープロソフトの設定をしてもらわないと話が見えてこないこともあるかも、と気付きました。

タブの話は、設定の話のあとです。

道具を使うには準備や手入れが必要

道具を使うには準備がいるし、使い続けていくためには手入れも必要です。

筆とか、鉛筆とか、ゲルボールペンとか、万年筆とか。
煩わしさと捉えるか、心を研ぎ澄ます行為と捉えるかは人それぞれですが、どれも一緒。
仕事として「書く」ことをしているならば、道具選びと手入れは、業務の大切な一部になっているはずです。

PCだって一緒です。

PCの場合、パソコン自体の設定であったり、使うワープロソフトの設定だったり。
そこで手を抜くと、書く時に楽できません。

楽をしたり手を抜いたりするためには、労力も払わないと。

と言うわけで今回は、Wordのバージョンアップするたびに、私がまず行っている設定について書きます。
なぜWordかと言えば、私がWordしか持っていないからです。

重要なのは「見えない文字を見えるようにする」ことですが、劇作家にとっては必須の「自動文章校正をオフ」にすることも紹介します。

註: Word以外の方は、操作方法が違うとは思いますが、似たような設定はできるはず。

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戯曲の書き方講座(2) – 見出しで構造を整える

今回は「構造」のお話

戯曲の書き方講座を始めました。2回目です。

戯曲講座ではないです。
書き方講座です。PCなどで書くときの、書き方です。

前回は、戯曲(に限らず文書と呼ばれるものの一切合切)をPCで書く時の、文章と見栄えは徹底的に切り離す という鉄則を紹介しました。

そのために、空白文字や改行文字で見栄えを一切調節しない、という話も書きました。

今回は、戯曲の構造のお話。
もちろん、戯曲の中身の話ではなく、文書構造の話です。

文書は幾つかのかたまりでできている

ぼくの場合、フルレングスで戯曲を書くと5万字を越えます。
真っ平らな地平に5万字の文字。
全貌を把握するのは大変です。ぼくには無理。
管理なんかとうてい出来ません。
自分で管理するのが無理なんですから、他人が読んで把握するなんて、とてもできないはず。

大きなものを把握するとき、部分にわけて考えるとわかりやすくなります。

大きな文書も、通常は、幾つかの「かたまり」で出来ています。
その「かたまり」が、パッと見て理解できるようになると、全体像が簡単につかめます。

本の「目次」とか、かたまり一覧ってことですよね。

この「かたまり」を明示し、文書の構造を把握しやすくすることが、今回の趣旨です。

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戯曲の書き方講座(1) – 前段としてまずは問題点を列挙

はじめます

戯曲の書き方講座を始めます。

戯曲講座ではないです。
書き方講座です。PCなどで書くときの、書き方です。

戯曲の「書き方」ではあるけれど、Wordなどを使って文書をつくるときの、一般的なあれこれにも通じることだと思います。

大きな流れとしては、文字の入力の仕方から入って、Wordの使い方についても説明していきます。
一太郎は持ってないので説明できないです。でもきっと、本質は同じ。

今回は文字の入力の仕方、の前段。

凡例

先に凡例をば。
タブ→
全角スペース→
改行→

見える? 矢印の右側に何も表示されていなかったら、閲覧環境が対応していないかも。

こんな書き方、していない?

さてさて。

皆さんは戯曲をどういう風に書いていますか?
まさかまさか、まーさかまさかとは思うけど、登場人物名やセリフをこんな風に書いたりしていませんか?

男2みんなでデリケートな話もするんだよ、仕事がらみの、ミー
ティングも兼ねてんだから
男1そうそう、今日はぼくだけだけど
女1あ、ほかにも人が来る
男1いいや、ぼくだけ……(男2に)まぁいいじゃない、こうい
う日もあったって……えっと、絵描きさん

あるとき、にいろんな方の戯曲をファイル状態でたくさん読む機会がありました。そしたらこういう書き方の戯曲がたくさんありました。その時だと、約9割がこうでした。

ぼくは劇作家協会ってところでリーディングをやることが時々あるのですが、採用戯曲にもこういう書き方のものが結構あります……というかほとんど?

なにがいけないか。はい、「空白文字や改行で、見栄えを調整していること」です。

こういう書き方は、ぼくから見ると、手書きの戯曲となんにも変わりません。
手書きには手書きの良さもあると思うのですが、手書きなことをわざわざWordでやっている点が、うーん、せつないです。

この書き方は、PCで戯曲を書くメリットを捨てているという点で、たいへんもったいなく思います。

楽をするために、PCで書く

先述の例のように、空白文字や改行で見栄えを調整するとどうなるか。

めんどうなことが沢山起きますが、書き手目線だけで言えば、

  • 文を書く際に、文には本来含まれない文字(ここでは空白文字や改行)を打鍵しなくてはならない。
  • 語を修正するたびに、いちいち空白文字や改行で、見栄えを調整しなくてはならない。

などがまず挙げられます。その手間を考えるだけで、ぼくは気が遠くなり慢性腱鞘炎がズキズキ痛み出します。

書く際は、文だけを書きたい。
語を修正したら、見栄えも勝手に修正されて欲しい。

当たり前ですよね? 前者は思考を邪魔するし、後者は書き手の仕事ではないって思います。

ぼくは、少しでも楽がしたいです。
楽をするために、PCを使って書いています。

こんな問題も起きる

実話ですが、あるリーディングで、年配の俳優さんのために字を大きくすることになりました。
ファイルでもらった戯曲のフォントサイズを、ただ大きくしたら、こんな風になりました。

先述の例を使いますね。

男2みんなでデリケートな話もするんだよ、
仕事がらみの、ミー
ティングも兼ねてんだから
男1そうそう、今日はぼくだけだけど
女1あ、ほかにも人が来る
男1いいや、ぼくだけ……(男2に)まぁいい
じゃない、こうい
う日もあったって……えっと、絵描きさん

そうだよなー、と思いました。
見栄えの指定を文字でしてしまっているからこうなるのです。

もちろんこれでは使い物になりません。

そのリーディングの時は、こんなのぼくの仕事じゃないよなー、と思いつつも、一行一行、改行を直しました。
(嘘です。実際は、いったんテキストエディタにコピーして、正規表現というものも駆使して、もうちょっと楽に直しました。が、これはもっともっと先の話です。)

検索もまともにできない

長い戯曲の場合、検索を使ってセリフを見つけたい時があります。

先述の例で、「ミーティング」って言葉を検索したいとします。
これは、検索では見つかりません。
なぜなら「ミーティング」って文字の並びは、例中にはないからです。

え? なにいってんの? あるじゃん! って思った方、その考えを改めてください。
文字と見栄えを混同してしまっています。

空白文字も、改行も、デジタルデータ上では立派な文字です。
これを文字と見なさないのは、手書きと同じ発想です。
打鍵したら、それは全て「文字」なのです。(例外は、カーソルを動かすためのキーなど。)

例中には「ミーティング」って字の並びしかありません。

デジタルデータというものの大きな利点は、検索です。

見栄えを文字で行うと、デジタルデータとしては使い物にならなくなってしまい、検索や置換などの恩恵を受けられなくなってしまいます。もちろん、字の大きさや一行の文字数の変更など、楽ちんな見栄え調整もできません。

というわけで、ちゃんと戯曲を書くにはどういう指針を持てば良いかを一つだけ書いて、今回は終わります。

文章と見栄えは徹底的に切り離す

これはもう鉄則です。
楽をするため、かつ書き手が書き手本来の仕事に集中するための鉄則です。

内容(文字・文章・戯曲)と見栄えは、徹底的に切り離しましょう。
譲っちゃダメです。妥協もだめです。

言葉の途中で本来ないはずの改行が入ったり、全角スペースが入ったり。
そういうことがないようにしましょう。

その方が楽でしょ?

文字は文字、文章は文章として、見栄えとは関係なく成立するように書きましょう。
そのために、全角スペースや改行は、文章として必要な位置にだけ打ちましょう。

見栄えの調整は、まったく別の作業なのです。

Wordだったら、「ぶら下げインデント」などで、納得いくまで調整すればいいだけ。
でもこの辺の話は、まだもう少し先です。

今回はこれで終わり。

質問があればコメント欄やFBなどでどうぞ。

ではまた次回(あるのか?)