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戯曲の書き方講座(2) – 見出しで構造を整える

今回は「構造」のお話

戯曲の書き方講座を始めました。2回目です。

戯曲講座ではないです。
書き方講座です。PCなどで書くときの、書き方です。

前回は、戯曲(に限らず文書と呼ばれるものの一切合切)をPCで書く時の、文章と見栄えは徹底的に切り離す という鉄則を紹介しました。

そのために、空白文字や改行文字で見栄えを一切調節しない、という話も書きました。

今回は、戯曲の構造のお話。
もちろん、戯曲の中身の話ではなく、文書構造の話です。

文書は幾つかのかたまりでできている

ぼくの場合、フルレングスで戯曲を書くと5万字を越えます。
真っ平らな地平に5万字の文字。
全貌を把握するのは大変です。ぼくには無理。
管理なんかとうてい出来ません。
自分で管理するのが無理なんですから、他人が読んで把握するなんて、とてもできないはず。

大きなものを把握するとき、部分にわけて考えるとわかりやすくなります。

大きな文書も、通常は、幾つかの「かたまり」で出来ています。
その「かたまり」が、パッと見て理解できるようになると、全体像が簡単につかめます。

本の「目次」とか、かたまり一覧ってことですよね。

この「かたまり」を明示し、文書の構造を把握しやすくすることが、今回の趣旨です。

かたまりには見出しをつける

それが何の「かたまり」なのか、精査しなければわからないようだと、やっぱり管理できません。
でも何らかラベルのようなものが付いていれば、パッと見てわかりますよね。

このラベルのようなものが、すなわち見出し
その「かたまり」がなんであるかの宣言です。

いちいちフォントをいじるのはやめよう

それくらいやってるよ!
見出しにしたい文字をマウスでなぞって選択し、フォントを変えたり大きさを変えたり太字にしたり……。

という方、いらっしゃいませんか? いっぱいいらっしゃいますよね?

これは、あまり効率が良くありません。
字の大きさやフォントを変えたくなったとき、見出しが20個あったら、いちいち変えるのですか? 大変じゃないですか?

そういうことはもうやめましょう。

フォントがどうとか文字の大きさがどうとかではなく、そこは「見出し1」です! みたいな意味付けをしていく、という考え方に変えてください。

見出しの明示の仕方 – Word編

見出しの明示は、Wordのようなワープロソフトだと簡単です。

Wordにはスタイルという機能があります。
これは、「段落単位で、それがなにを意味する構成要素なのかを指定する機能」と言えます。

今のWordだと、「ホーム」リボン(旧名ツールバー)のなかにスタイルという項目があります。そのなかに「見出し1」「見出し2」というのがあります。
見出し1が、言うなれば「章」に相当し、見出し2は「節」、見出し3は「項」に相当します。でも章節項モデルにこだわらず、数字が小さいほど上部構造の見出しになる、と覚えましょう。その方が柔軟にあれこれ対応できるので。

「ホーム」リボンのなかにある「スタイル」

「ホーム」リボンのなかにある「スタイル」

見出しに指定したい段落(行)にカーソルを置き、同リボンから「見出し1」をクリックすればOK。マウスでなぞって選択状態にしなくてもだいじょうぶ。

でもね、もっと簡単なやり方があります。

  • 見出し1に指定したい場合は、その段落(行)で、キーボードで、CTRL+Alt+1
  • 見出し2に指定したい場合は、キーボードで、CTRL+Alt+2
  • 見出し3に指定したい場合は、キーボードで、CTRL+Alt+3
  • 見出し4に指定したい場合は、以下略

これだけです。

註: いちいちクリックなどしてられるか! という人のために、ほとんどのワープロソフトは、よく使う(はずの)機能には「キーボード・ショートカット」というものが用意されています。

ちなみにMicrosoft Officeのサイトに、詳しい説明があります。なんだか難しげですが……。
Word のスタイルの基礎

見出し明示の大きなメリット – Word編

見出し明示のメリットを、2つだけ紹介しましょう。

1. 見栄えを変えたいとき、一斉に変えることができる

見出しのフォントや文字の大きさを変えたい時、「スタイル」を設定していれば、そのスタイルに対して一斉に設定を変えることができます。
見出しにしたい文字列をいちいちマウスで選択しなくても、もう大丈夫。

例えば「見出し1」の見栄えを変えたい場合はこうです。

右クリックでこのメニューが出てくる

右クリックでこのメニューに

1) どこでもいいので、文書中の見出し1に指定された段落を選択。
2) フォントや文字の大きさ、装飾などをいじる。
3) 「ホーム」リボン(ツールバー)の「スタイル」欄で、該当するスタイル(例えば見出し1)を、右クリック。(上図)
4) でてきたメニューで、「選択箇所と一致するように 見出し1 を更新する」をクリック。

以上の手順で、見出し1に指定された段落が、全て2)で変更した見栄えになります。

2. 巨大文書の管理が楽になる

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「表示」リボンの中の「表示」の項にある「ナビゲーション ウィンドウ」をチェック

「表示」リボン(ツールバー)をクリックしてください。リボン上の「表示」欄に、「ナビゲーション」というチェック項目があります。
これをクリックして印をつけると、ウィンドウの左側に、見出しの一覧が目次のように表示されます。

ナビゲーション ウィンドウ

ナビゲーション ウィンドウ

註: 昔はこれ、「見出しマップ」という名の機能でした。

楽をし、知的作業に集中する

見出しも「ナビゲーション ウィンドウ」も、量の大きい文書をつくるときは必須です。
これなしにWordで戯曲やページ数の多い文書を書いていたあなた、むしろすごい。

でもこれからは、楽をして欲しいです。

ここはシーンの見出し、と思ったら、その行で「CTRL+Alt+1」ってやればいいだけなんですから。

文書の作り方も変わるかもしれませんね。

企画書など、ある定型のある文書なら、中身はあとにして、先に「見出し」スタイルで章立て項立てをし構造を組み立て、思いつけるところから内容を書いていくというのも手でしょう。

戯曲だって同じで、シーン名を「見出し」にし、次のシーンの内容は思いつかないので後回しにして、先のシーンを書いちゃう、みたいな書き方だってできます。

文書構造の管理は、ワープロソフトに任せちゃいましょう。
書く側は、書くことに集中したらいいと思います。

テキストファイルではどうするか?

Wordのようなワープロソフトを使った場合、スタイルを指定することで、その段落がなんなのか明示できます。
もちろん、「ト書き」とか「セリフ」のようなスタイルをつくり、この行は「セリフ」ね、みたいにすることもできます。
でもこれは、まだまだ先のお話。

今回は、純粋なテキストデータで、見出しをどう扱うかをちょっとだけ説明して終わりましょう。

ただまぁこれはもう、人によって好きにしなさい、としか言えない部分が大ですが。

厳密かつ単純なルールを決めて書く、とか

例えばこういうやり方、という話ですが、見出し行と一目でわかる文字を決め、その文字で始まる行は見出しと決める、という方法があります。

ぼくはこうやっています。

  • 「■」で始まる行は、その文書の表題
  • 「●」で始まる行は、
  • 「○」で始まる行は、その章内の

というルールを決め、文書をつくっています。
読みやすいし、他人が読んでも結構わかりやすいし伝わる、と思っています。

あれあれ? 前回「文字で見栄えを表現してはいけない」って言ってなかったっけ?

はい、言ってました。でもこれは見栄えの指定ではなく、その行がなんであるかの明示です。まぁ、ほれ……ある種の屁理屈ですけれど。

戯曲の場合は、上記を拡張し、こうしています。

  • 文書冒頭の「■」で始まる行は、その戯曲の題名
  • 「●「で始まる行は、シーンの見出し
  • 「◎」で始まる行は、シーン以外のセクション見出し(「◎登場人物」とか「◎あとがき」とか)
  • 文書冒頭以外の「■」で始まる行は、幕やトビラなど、「●シーン」の上部構造(自分はそんなに使わない)
  • 「○」で始まる行は、シーン内のブロック見出し(そんなに使わない)

註: 戯曲ではもうちょっとルールを決めているんですけれど、それはまた別の機会に。

なんにせよ、単純でわかりやすいルールを決めて、見出しをつくってけば、どんな文書もぐんと読みやすくなると思います。

註: 最近(でもないけど)のテキストエディタ(テキストデータ専門の文字入力ソフト)は、ルールを指定すると見出しとして見やすく表示したり、Wordのナビゲーションウィンドウのように見出し一覧を表示してくれる機能がついていたりします。

次回はどうしよっかなー

というわけで今回はここまで。

質問があればコメント欄やFBなどでどうぞ。
反響があれば、つづきます。

次回は、タブの話か、構造の話をもう少し細かくするか、Word限定インデントの話のいずれかで迷い中です。
更新は、ちょい先ね。

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コメント

  1. 園田英樹 より:

    僕はテキストで書いてます。オーズエディターというシェアウェアを使って。しかし渡すときにワードでくれと言われたりすることがあるので、ワードにはりつけたりするのですが、そのときに整形したりしなければならず、面倒です。
    長谷さんのこの講座で、ワードの使い方を知れて、ありがたいです。

    • mhase より:

      園田さんだ! こんにちは。
      O’s Editor2、良さそうですよね。
      ぼくは戯曲の場合、秀丸で書き始めて途中ワードに切り替えています。自分で印刷して稽古場に持って行くので。
      どこかに渡す原稿だと、最後まで秀丸です。ワードで欲しいというのは、先方はそのまま印刷したいということなのでしょうか。
      つづき、がんばります。

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